【関連書籍】もしかして私、大人の発達障害かもしれない!? まとめ方がイイんです!
今回は、こちらの本です。
一言で言えば、非常に読みやすいです。
2011年の発売ですが、本屋さんを見ると未だに手前に置かれていたりするので、
人気なのでしょうか。
内容は、割とオーソドックスです。
・ADHDの原因について
・成人になってから発覚する理由
・生活での困った場面の事例&解決方法の紹介
・周囲のサポートの方法について、など。
項目だけ見れば、他の本と似ている部分も多いのですが、この本は非常に好感が
持てます。なぜなら、全体を通して、(いい意味で)軽い&前向きなんです。
ADHD関連の本を数冊続けて読んだことで、自分の好む傾向がわかってきました。
当然今回も、良い本・悪い本というジャッジではなくて、今の自分に合う本という
紹介になるので悪しからず。
「診断はあくまでも自分の特性を知ることであり、解決ではない」
「治すではなくて、生きやすくするための治療」
「自分を楽にするコツを見つけよう」
「当事者も周囲もリラックスして乗り切ろう」
このあたりが、この本のいいな~と思ったポイントです。
発達障害当事者と周囲の関係は、決して「してあげる」だけの関係じゃないという
章が特に印象的でした。以前、脳科学者の茂木健一郎さんの講演を聴きに行ったことが
あるのですが、その時に聴いた話で
「障害を持った人と一緒に過ごすことで、周囲の人も多くの貴重な経験をしている」
というようなことをおっしゃっていました。
(すみません、うろおぼえで。この時は、身体障害だった気がしますが)
発達障害だからしてあげる、のではなく、
「理解できるように伝える」
「相手が働きやすい環境に気を配る」
これは、定型発達の人であっても、必要なことだし、してもらって嬉しいことです。
「自分が何を苦手とするのかを相手に分かるように伝える」
「受け入れてもらいやすいように伝える」
これは、当事者側の努力が必要なところでもあります。結局は、
「共に生きて行く人同士の相互理解」なんですね。
そのバランスが、定型発達の方に負担が多いじゃないか、ということは否定は
できませんが、そんなことの公平・不公平を今更言っても、仕方がないのです。
考えるべきは、お互いにどうしたら気持ち良く過ごせるか、ではないでしょうか。
職場だけじゃなくて家庭でも同じですね。
「発達障害を持って生まれたから自分は不幸だ」というモードになることもあります。
分かります。でも、「苦手な部分もあるけど、こっちを頑張るから許してね、テヘ☆」
という生き方をしていった方が、自分も楽だし、まわりにとっても良い関係を築きやす
い、ということを教えてくれる1冊でした。短所を埋めるより、長所を伸ばせ、という
やつですね。
タイトルからして、また安易に自己診断シートとか付いてて、不安を煽るだけ煽って終
わるような内容…?と思いましたが、「生きづらい特性だけど、これも自分の一部
だから、しょーがない。まるごと抱えて生きていくかー!」というモードにしてくれる
本でした。すでに知識はあるという方でも、最後の章は、読むとちょっと前向きに
なれるかもです。
ちなみに、数ヶ月前の自分だったら、きっとこの本は、受け入れられなかったと
思います。「けっ、理想論ばっか言いやがって」っていうモードでしたから。
そういう時は、そういう時。無理して考えをシフトしようとせずに、時が経つのに
任せましょう。うつモードの時は、「前向きな本は、受け入れられましぇーん」
それでいいんです。