アラサー女の 成人ADHD記録〜ストラテラ飲んで仕事します〜

アラサー女、成人のADHDだけど、ストラテラの力を借りて、わりと楽しく生きてます。

【関連書籍】発達障害に気づかない大人たち<職場編>

うつ病からの復職トレーニングの一環として、本を読んでレビューを書いています。

今回は、こちらです。

 

発達障害に気づかない大人たち<職場編>(祥伝社新書237)

発達障害に気づかない大人たち<職場編>(祥伝社新書237)

 

 

発達障害の当事者でもある精神科医として有名な星野先生の本ですね。

 

タイトル通り、ADHD特性を持っている人が職場で働いていくための

問題点や解決方法を中心に書かれています。この本の前に

発達障害に気づかない大人たち (祥伝社新書 190)」という症状や生活全般に

ついて書いた本もあります。(こちらは未読です)

 

 

職場で困る点の例の細かさは、さすが当事者であり、専門にみてきた歴の経験の

豊富さを感じます。一般企業でオフィスワークをしたことのあるADHDの方なら、

あるあるが多すぎて泣けてきます。

ただ、“一般企業のオフィスワーク”と書いた通り、事例がこの分野に絞られすぎて

います。なので、他分野の方からしたら、ヘッドフォンの使用や書類の整理などは

取り入れづらいかもしれません。

 

全体的な読後の感想としては「…これはキツイ」です。

 

メインとしてページを取っているのが、

「第2章:発達障害者が仕事をうまくこなすには」

「第3章:職場で発達障害者を活かすには」

 なんですが、書かれている内容が、まるで、

小学生または中学生が職場体験に来た時にやる仕事&用意すべき環境みたい

に感じられてしまって、

「そうか…ここまでしないとADHDは働けないのか… (´・ω・`)」と、

ちょっと凹みました。

 

おそらく、他の本と書いてあることは大きくは違わないのですが、

まず、出てくる状況が細かくてリアルなので、過去に自分がやってしまった失敗を

思い出し、その時に上司がこんなふうに怒ってたなぁとフラッシュバックしてしまい、

ツラくなりました。こうして客観的に読んでみると、自分が経営者だったらこんな

手がかかるヤツ、雇いたくないよなぁ、と読めてしまって…。

 

どんな人でも特性を活かして働くことのできる会社は、一つの理想形です。でも、

また別の理想形として、ビジネスの世界では、会社の利益を上げるために、能力の

ある人が必要とされます。ADHDを持ちながらも、こちらのタイプの会社に入り、

必死でしがみ付いてきて、あげく疲れ果ててうつ病になった、なんて方も多いのでは

ないでしょうか。自分もこのタイプです。どうも、この本に書かれている“仕事”が

こちらのタイプ=そもそも向かないのに、なんとかしてカバーしようとする、に

近い気がして、とても違和感を感じました。

 

自分も、このうつ病から復職したら、以前の職場に戻ります。しかし、いくら細かな

工夫をたくさんしても限度があるのではと思っています。しかも、その工夫の多くの

部分で、会社への負担(よく言えば依頼)をかけることを自分は要求できるのか…

難しい気がします。負担というのは、本の中で出てくる、発達障害の社員の為に

作業マニュアルをつくってあげたり、作業を細分化し、構造化して視覚で伝えて

あげたり等、これをいわゆる一般企業に、発達障害者が求める図をイメージする

ことができません。ここまでひねくれた考えをしてしまうのは、自分がいた会社が

全くマイノリティーに理解がなさそうだからかもしれません。使えないヤツは、

どんどんクビ、または左遷する会社でした。

 

つまり、当事者であるあまりに、著者は発達障害者側に立ちすぎてしまって

いるのではと思います。ここまで発達障害者にとって働きやすい会社は、そうそう

ないのではないでしょうか。なので、この本を手に、会社に詰め寄ったりするのは

危険ですね。世の中そんなに甘くないですよ、きっと。

 

本文中に

長所を活かして短所をカバーする

とありますが、長所の部分があまり書かれていません。

 

適した職業も、前ページで傾向として

研究者、教師、警察官、カメラマン 等を

あげているのに、次ページでは、現実的なところでは、として、

データ入力、メール仕分け、清掃、皿洗いをあげています。

…混乱。

 

学力より、社会性を身につけるべし、という考えには賛成です。

二次障害を未然に防ぐ為のライフスタイルは、参考になりました。

ADHDには「自分の身体を労わる」という能力が抜けていることが多いので

「食事」「睡眠」「遊び(息抜き)」を、“必要なもの”として認識しなくちゃ

いけないなぁと思います。

 

なぜか、だいぶ辛口になってしまいました…。つい、自分の会社を思い出し…。

今後、働きやすい職場への転職を慎重に考えていく上では、とても参考に

なりました。

 

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