アラサー女の 成人ADHD記録〜ストラテラ飲んで仕事します〜

アラサー女、成人のADHDだけど、ストラテラの力を借りて、わりと楽しく生きてます。

4月から施行される「障害者差別解消法」について知っていますか?ADHDはどうなるの?

先日、仕事中に、近くの席の上司が、ある部門の責任者を呼んで話しをしていました。しばらくして、ある衝撃的な言葉が耳に入り、思わず ビクゥッ∑(゚ω゚ノ)ノ っとなりました。
それは…「4月から始まる障害者差別解消法に関して、本社からアンケートが来てるんだけどさぁ…」 ビクゥッ∑(゚ω゚ノ)ノ 

「障害者差別解消法」って何!?動揺を悟られないように、すぐに検索しましたよ…!

 

「障害者差別解消法」

障害を理由とする差別の解消を推進することにより、すべての国民が障害の有無によって分け隔てられること なく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指し定められた法律。2016年4月施行。

 

知らなかったー!!!こんな法律が4月から施行されるそうです。え?知らなかったの私だけ?世間ではわりとメジャーなニュースだったのかい?昨年は半分ぐらいは世間から離れた生活をしてたからなぁ。
 

f:id:adhd_misoji:20160208191518p:plain

障害者差別解消法とは、読んで字のごとく、障害者を差別するのやめようぜ☆という法律だそうです。説明はこちらを。

障害者差別解消法リーフレット(わかりやすい版) - 内閣府

簡単に言うと、「障害者を不当に差別したらダメ」というのと「合理的な配慮をしましょうね」という二大内容みたいです。まず、初めに思ったのが、「え?今さらっすか…!?」というね。まあ、これは、「改めてちゃんと宣言しとくよ」みたいな意味合いもあるようなので。確かに、公なガイドラインが示されるということは、「そんなもん知らん!」というのが通らなくなるということですからね。大事大事。

 

 

 

で、いろんな説明資料や例、イラストを見て思ったのが、身体障害についてはきっと読んだ人もわりとイメージしやすいだろう。けど、自分のADHDをはじめとする目に見えない障害は、これは…というモヤモヤ。もちろん、この法の範囲には下記のように書かれています。

 

 1法の対象範囲
(1)障害者
●「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」(障害者基本法における「障害者」の定義と同じ。)
●「社会モデル」の考え方を踏まえており、いわゆる障害者手帳の所持者に限られない。

 うん、ばっちり対象範囲内には入っています。ADHDさん。ということは、これはちゃんと自分に関わりがある法律ってことですね。そうするとだ、気になってくるのが「合理的な配慮をしましょう」という部分についてです。この合理的な配慮は役所には、「しなければならない」と課されていますが、一般企業や店舗には、「するように努力しましょう」とされています。出た〜、日本人の大好きな「努力すべし」。THE あ・い・ま・い!!ちなみに、配慮がなされなかった場合、どうなるのかというと…「差別をしないよう、注意します」…注意します!だけか!そうか!うむ!

 

そして、もう一つ、この法律が届く範囲は、役所や企業、店舗のみで、個人の行動や発言は含まれないんですね。どこまでを企業や店舗としての対応として、どこからをそこは個人だから…とするのか。うむむ。

 

ADHDにとって、この法律がどんな意味を持つのか…。ADHDの存在が世間に認知されることに一歩近づくのは間違いないでしょう。でも、ADHD、特に成人の場合は、わかっているけど、その行動や発言を「本人のせいによるものじゃなく障害によるものとして受け入れられるか」そこが問題ってことですよねぇ。

 

これまで知らなかった人が、「ADHDというものが世の中にはあるらしい」と知る。それは、いいこと。なのかなぁ?と最近は疑問に思ってしまいます。オープンにしたところで、苦労をしている人はフォロワーさんにもたくさんいるので、見えない障害、特に、「感覚」が違うなんていうのは想像しにくいので、受け入れ辛いですよなぁ。自分自身が定型発達と感覚が違うことに気づかなかったくらいだからなぁ。

 

この法律が施行されるから、「4月になったら堂々とカミングアウトしよう!」とは、私はならないなぁ。でも、勇気を出してカミングアウトした場合は、会社側に、合理的な配慮を堂々と求めることができるようになるわけですね。それが、叶うかどうかは別として。「検討してみたけど、ダメです」って言われればそれまでみたいだけどね。

 

障害者が差別を受けず生きやすい社会って、なんなんだろうなぁ。例えば、車椅子なんかは、ここ十数年で明らかに社会に受け入れられやすくなっているように見えます。もちろん、当事者の方からしたらまだまだなところもあるだろうけど、電車やバス、お店で、車椅子のお客さんにサポートの時間と手間を割くことは日常の風景になってきてると思う。

 

いつか、発達障害などの目に見えない障害にもこんなふうに、スッとサポートの手を出してもらえるようになるのだろうか?でも、これってお客さんの場合だ。あえてすごく意地悪な言い方をすれば、身体障害者のお客さんをないがしろにすることは、お店のイメージにも関わるから当然しないよね。発達障害の人にとって苦労が多いのはお客さん側じゃなくて、働く側、つまり会社内で必要なサポートが受け辛いことだよなぁ。

 

見た目上は全く他の人と変わらないのに、できないことが多い。そんな人と、あえて一緒に働きたいとは思えないよなぁ。(過去記事参照)

 

そんな人を、法律ができたからって雇い、必要な補助をしないと、お役所がうるさいからって面倒くささで受け入れられたら…いたたまれない。ああ、やっぱりこれも、自分側の問題かもなぁ。自分に発達障害が起因で苦手な部分があってもそれを堂々と外に打ち明けてサポートを求め、別の部分で活躍できる自信を持つ。それが自然とできれば、社会でやっていけるんだろうな。

 

もちろん、こういう法律がないよりはあったほうがいい。けど、日常生活での困り感の部分では、対人間の付き合いなんだから、自分の特性を受け入れているか、ちょっとやそっとの失敗では揺らがない信頼関係を周囲と築けているか、そういうことの方が大事で、つまり今までと何も変わらないんじゃないかなぁ、と、思ったニュースでした。

 

ちなみに、上司の話を盗み聞きしたところによると、うちの会社でこの法律に関して、既に実施できている事項として挙げられていたのは、公共部分に「車椅子用のスロープがある」「車椅子用の優先座席スペースがある」だけだったね。みなさんの職場ではこの話題出てきていますか?