【関連書籍】大人のADHDワークブック 個人的超オススメ本
以前に、読んでみます宣言を出してからやっと読み終えましたので、レビューします。
こちらの本です ↓
結果から言いますと、私が読んだ中では、久しぶりにADHD関連の良書かと!
まずですね、最近はちょっと大きめの本屋さんに行くと、成人のADHD関連の本が
数冊は置かれるようになりましたが、…「表紙変えただけで中身同じやないかーい !」
と言いたいものが多くないですか?もちろん、中にはイラスト等でわかりやすくした
ものもありますけど、8割以上は同じ情報。これは、このジャンル売れると思われて
新ネタないけど出してるようにしか思えなくてですね…。
そんな中でこの本は、ちょっと違うんですよ。
まず、届いた瞬間、「あ、失敗したかも」と思いました。
なぜなら、分厚い…!そして横書き…!!
横書き本って読みづらくないですか?形式がというのもありますが、
翻訳が下手な時のあの読みづらさがどうも苦手で。
ところがどっこい、この本は読み易いです。
なぜなら、著者、ADHD持ちのことよくわかってる…!!
そして、翻訳者も精神医学の分野の方なので、アメリカーンな部分を
ちゃんと日本文化に置き換えてくださっていて、無理なく読めるんです。
おお!っと思ったのが下記の部分。
本書は、なるべく1章の長さを短くして、集中して読めるようにしてあります。囲み、リスト、表などは飛ばして後からまとめて読んでもかまいません。最初はある程度飛ばしながら読んでもかまいません。とにかく最後まで読むのです。
ラッセルさん…!!わかってらっしゃる…!
だが、甘いっ!!私はその1章でも読み切れずに飽きたからな…!ドヤッ! ( ´_ゝ`)
…という章もありましたが、基本的には小分けになっているので読み易いです。
日本の本と違うなぁと思った部分は、日本ではADHDの基本症状を
「多動性」「衝動性」「不注意」で分けるのに対して、この本の中では
「自分をとめられない」(待つことが難しい、衝動的に決断するなど)
「自分をコントロールできない」(楽しいことを優先させてしまう、
退屈になると作業をやめてしまうなど)
「実行機能に障害がある」
(時間感覚がない、やるべきことを忘れる、カッとなる)
上記のように分けています。これで考えると、ADHD的な行動が
何に起因するものなのかがわかるので、対処法までの話がすんなり
繋がるんです。これは個人的にはわかりやすい整理だと感じました。
生活の中で生じる問題も、全部で5タイプ(1、時間・計画・目標の自己管理がうまく
できないなど)に分けて紹介されているんですが、他の本に比べると、取り上げてる
事例が詳細なんです。なので、今まで衝動的な発言は自分でだいぶコントロール
できていると思い込んでいた自分も「あれ?これって…」と思い当たり反省する過去が
たくさん出てきました。ああ、あの発言取り消したい…。
全体的な方向性としては、基本的には薬物療法をすすめています。ただし、薬物療法
だけでは解決できない部分もあるとして、生活を変えるためのルールのアドバイスや、
環境を変えることの重要性について書かれています。薬物療法反対派の方でも、
他の部分は参考になると思うので、一読する価値はあるかと。
生活や環境についてのアドバイスも具体的なので、一通りADHDについて知識がついて
いる人でも、読んで面白いと思います。というのは、「なぜ、その行動をとってしまう
のか」「その時、脳はどう判断しているのか」について丁寧に説明されているので、
「そっかぁ、だったら脳を自分でコントロールするために、やってみようかな」と
思えるんです。メモ帳を持ち歩くとかね。ただ、事例の所々はアメリカーン☆です。
まず、人事部の発達障害の担当者に相談しましょう。
…いねえよ!!日本にそんな人そうそういねえよ!!
(仕事する場所は)できることならば個室が最善でしょう。
…欲しいよ!個室が一人に一室あったらどんなに楽か…!
てな、感じでちょいちょい心の中でツッコミが必要ですが、大部分は
日本でも問題なく取り入れられます。
対象者としては、ADHDを受け入れようと思えている人、でしょうか。
診断を受けたばかりや、どうして自分がこんな目に…というモードの方にはちょっと
キツイかもしれません。
ADHDをもって生まれたのはあなたのせいではないけれど、
ADHDであることを受け入れるのはあなたの務め
という一文が、私はとても気に入りました。
苦労するけど、それでも基本的には受け入れていこうと思っている人には
とてもいいパートナーになれる本だと思います。
学生時代の過ごし方と、職業選択についても書かれています。
ADHDをお持ちのお子さんが、大きいならこのへんは参考になるかもです。
最後に、個人的に面白かった部分を
・コンサータとストラテラ、どちらが適しているかチェック表がついています。
自分は、ほぼどっちもいけるで、若干ストラテラに多く◯がつきました。
・todoリストや大事な情報は見えるように机にデッカく!らしいけど
…基本的にはADHDを隠して仕事をしていきたい人には悩ましい部分です
・大人のADHDに見られる症状91リスト
91も項目があるチェック表は初めて見ました。当てはまる項目の多いこと…涙
・砂糖の摂取はADHDとは関係ないというのが新しい説
・アメリカ人のADHDは、近所の家の高級スポーツカーを衝動で盗みすぎやろ
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