アラサー女の 成人ADHD記録〜ストラテラ飲んで仕事します〜

アラサー女、成人のADHDだけど、ストラテラの力を借りて、わりと楽しく生きてます。

ストラテラは危険な薬?投薬の是非について

ADHDの診断が出たときに「ストラテラ、飲みますか?」と言われて、

みなさんはいったい何を基準にして飲む or 飲まないを決めましたか?

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私は、その瞬間までストラテラなんて聞いたこともなかったので、

どうしたらいいのか困りました。ちなみに、リタリンなら知っていました。

(過去に読んだADHD関連の本が基本的にちょっと昔のだったので)

「こども向けに処方されている薬」「覚せい剤系」というワードが

浮かぶ程度でしたが。

 

 

先生の説明で「リタリンみたいな依存性はないので必要がなくなれば止められる」

「人によりこの薬が合うかどうかは分からないけど、現在の状況に困っているなら

試してみる価値はあると思うけど、どうする?」と聞き、飲むことを決めました。

 

 

adhd-misoji.hateblo.jp

 

で、過去記事の通り“私には”効果があったわけです。

 

でも、飲み始めの不安な頃は、毎日のように検索で「ストラテラ」を

かける日々でした。副作用も心配だったけど、何にどう効くのか、

「これだっ!」ってのがわからないので、不安でした。

 

ネットや、本でいろいろと知識をつけていくうちに、

やはり一定数であるのが、「ストラテラは危険な薬!」

「ストラテラを飲んではいけない!」という意見です。

 

これらを主張する方々の理由としては、

重篤な副作用が多いとする意見です。

 

主な副作用は以下の通りです。

小児を対象とした国内臨床試験における安全性評価対象例278例中209例(75.2%)に副作用が報告され、主なものは頭痛(22.3%)、食欲減退(18.3%)、傾眠(14.0%)、腹痛(12.2%)、悪心(9.7%)であった。
日本人及びアジア人の成人を対象とした臨床試験における安全性評価対象例392例(日本人患者278例を含む)中315例(80.4%)に副作用が報告され、主なものは悪心(46.9%)、食欲減退(20.9%)、傾眠(16.6%)、口渇(13.8%)、頭痛(10.5%)であった(成人適応追加時)

くすりのしおり | 検索結果詳細

 

う〜ん、まあ、多いといえば多いのでしょうか。

これでも、リタリン、コンサータよりは副作用が出にくいとされています。

また、こんな問題もあります。

 

ストラテラの販売が先行している欧米諸国では、ストラテラが引き起こす自殺や暴力が問題となっている。例えば、カナダでは小児(6~17歳)の41件の自殺企図が報告されている。昨日発表された、医薬品添付文書案を見ると、重要な基本的注意という欄には「臨床試験で本剤投与中の小児患者において、自殺念慮や関連行動が認められている」と記載されていた。つまり、国内の臨床試験の段階でも自殺念慮等が現れているということである。ちなみに、国内臨床試験の安全評価対象例278例中200例(71.9%)に副作用が報告されており、あのコンサータよりは確率は低いものの、他の向精神薬と比較しても副作用出現率は非常に高い。

子どもに自殺・暴力を引き起こす薬が承認へ ( メンタルヘルス ) - 精神科医の犯罪を問う - Yahoo!ブログ (だいぶ古い記事ですが)

 

確かに、軽視できる問題ではないですよね。

じゃあ、「ストラテラは悪い薬」「飲むべきではない」という主張に

賛同できるかというと、私個人としては NO!です。

なぜなら、ストラテラは、ADHDにとって最も手にし難い「成功体験」を

与えてくれる可能性があるからです。

 

ADHD持ちの私は、昔から「なんでうまくできないんだろう?」

「人と比べてだらしない」「自分が恥ずかしい」という思いを持ってきました。

“自己肯定感”というものが著しく低いのです。今も正直、自己を肯定するというのが

どういうことなのか、わかるところまではいっていません。

「こんなダメな自分が人と同じように幸せになれるはずがない」という思いが

ふとした瞬間に出てきます。そんな状態を、たとえ薬物の力であっても、

少しでも改善してくれたのがストラテラだからです。

 

自分にとっては、ストラテラは“魔法”のようでした。

「そうか、定型発達の人にとって、毎日を生きることはこんなにも簡単なのか」

と初めて気づきました。苦労していた毎日のルーティンワークが、苦もなく

パパッとできるだけで、今まで悩んでいたのはなんだったのだろうというくらいに

世界が変わって見えます。

 

極端な話かもしれませんが、ADHDの二次障害でうつ病になっていた自分は、

ストラテラがなかったら、この先、自分の人生に絶望して自暴自棄になったり

自殺を考える可能性だってあったわけです。大げさに言えば、私にとってストラテラは

この先の生きる希望を与えてくれたとも言えます。

 

だからといって、「ストラテラばんざーい!みんな飲めー!」ではないですよ。

自分は本当にたまたま、これが合う体質で、しかも副作用も軽かったという

ラッキーなだけです。そして、飲み続けて生活がラクになり、自分のADHD特性に

向き合って考えている今、薬はあくまでも手助けにしかならず、解決してくれる

魔法ではないと、ちゃんと認識しています。1番の理想は、ADHDの特性を薬で矯正

しなくとも、ありのままで生きていける、環境に身を置くことだと思っています。

だけど、それがすぐに叶わないなら、一時的な対処として、困っている部分を

手助けする道具として、ストラテラを使うのはアリだと自分の場合は思います。

 

ADHDの診断がおりて、投薬治療を悩んでいる人、あるいはグレーゾーンで

ストラテラの存在が気になっている人は、どうすべきか本当に悩ましい問題です。

 

言えることは一言!  

「悩んで自分で決めてくれ!」

です。

 

悩んだ結果、飲む方に決めた一個人の意見としては、体力、そして経済力に

余裕があれば試してみるのはアリなんじゃないかなと思います。

( ↑あくまでも、個人ブログの無責任な発言です)

もちろん主治医の方針にもよりますが、合ったらラッキーぐらいの感覚で。

人生をひっくり返す魔法の薬だと最初から思ってはダメですよ。

 

上記のことは全部、大人のADHDの場合です。

本当に悩ましいのはお子さんへの投薬をどうすべきか悩んでいる

保護者のかたですよね。大人の場合は、自分にどう作用したのか、

続けたい止めたいを自分の意思で決められますが、

お子さんの場合は、その感覚を言語にして人と共有するのが

難しい場合もあると思います。

なんのアドバイスもできませんが、ストラテラがすべての人に効く

万能薬ではないこと、そして、ストラテラで得られる1番の効用は

「自分にも出来た!」という成功体験、自己肯定感であることかなと

思っています。ストラテラを飲んで、出来るようになったことがあったら

たくさんたくさん褒めてあげてください。別のことがうまくいかなくても、

褒められた記憶がたくさんあればあるほど、またチャレンジしよう、

これがダメでも他で頑張ろうと思えるのかなと思います。

 

投薬の是非について、ADHD当事者が合う、合わない議論するのは

大いに賛成です。だけど、この特性の大変さを全くわかっていない

研究者やら便乗者やらが「薬に頼るなー!」「その薬は毒薬だー!」だけ

言ってるのを見るのは「けっ!」と思いますね。

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